2025年度も上半期が過ぎ、どの書籍が多くの読者に手に取られたのかが見えてきました。
本記事では、2025年度上半期の売れ筋書籍ランキングを15位までご紹介します。
特に上位の作品からは、読者が求めるテーマやトレンドも読み取ることができます。
まずはランキングの発表前に、この半年で注目されたジャンルや読書動向のポイントを押さえておきましょう。
読者のニーズ傾向
今回ランクインした書籍は、テーマも幅広く多岐にわたっていますが、大きく分けるといくつかの特徴が見えてきます。
実務に直結する書籍が人気
ランキング上位には、日々の金融業務で活用できる実務書が多数ランクインしています。業務での確認や復習のため、また新人・若手職員の教育にも手に取られていることがわかります。
新人・若手向け教育書籍の根強い支持
新人や内定者向けの教育書籍も目立ちます。基礎知識や社会人マナーを押さえたい層に対して、入門書としての需要が高いことが読み取れます。
法務・コンプライアンス関連書籍も安定した人気
法務やコンプライアンス関連の書籍も複数ランクインしています。日常業務で必須の知識であることに加え、復習や研修用としても広く読まれていることがうかがえます。
個人向けライフプラン・相続・年金書籍の関心も高い
個人向けのライフプランや相続、年金関連の書籍もランキングに顔を出しています。金融機関の職員が個人相談やサービス提供で活用するニーズが背景にあると考えられます。
地域金融・JA関連書籍も一定の人気
JAや農業金融関連の書籍もランクインしています。地域金融や専門職向けの実務書籍として、根強い需要があることがわかります。
今回のランキングからは、「新人から中堅職員まで、幅広い層が学びや業務の確認に活用できる書籍」に人気が集中している傾向が読み取れます。
では、いよいよ2025年度上半期の売れ筋書籍ランキングを25位まで発表します。どの書籍が上位にランクインしているのか、ぜひチェックしてみてください。
★★ 第1位 ★★
入社前後の学びに欠かせない1冊!
『金融機関行職員のためのファーストブック[第4版]』
B5判 148頁 税込1,320円
銀行、信用金庫、信用組合、JA、労働金庫まで幅広い業態から支持を集めての第1位となりました。
毎月売れているというよりは、内定者や新人教育用として、2~4月や7~9月に集中して売れている傾向があります。
★★ 第2位 ★★
信用金庫や信用組合、JAなど協同組織の職員から熱い支持!
『ねんきんライフプラン 2025年度版』
B5判 32頁 税込506円
書店では販売していないにも関わらず、第2位にランクイン。
年度版となっているため、毎年購入しているお客さまも多い書籍です。
購入理由としては、個人の方だと「自身や家族のライフプランを見直すため」、法人だと「金融機関がお客さま配布用に購入」や「職場内での研修用教材として購入」するケースが多いようです。
★★ 第3位 ★★
会話例から“聞き方・話し方”がわかる取引時確認の決定版!
『AML対策を現場で強化 取引時確認の聞き方・話し方 [第2版]』
A5判 112頁 税込1,210円
金融機関で継続課題となっている「取引時確認」を事例で学べる書籍です。
2023年に第1版を出版した頃に比べると、売れている冊数が減ってきていますが、新しく入った行職員には教育が必要ということもあり、根強い人気を誇っています。
「会話形式で書かれているため、理解がしやすい」「お客さまとの会話にそのまま流用できる」と高評価を得ています。
★★ 第4位 ★★
基本から実践まで学べる1冊
『金融機関行職員のための マネー・ローンダリング対策Q&A[第4版]』
A5判 184頁 税込1,430円
第3位に引き続き、マネー・ローンダリング対策の書籍がランクイン。
金融機関のマネロン等対策の意義や規制から実務対応のポイントまで、とても分かりやすく参考になる書籍だと高く評価いただいています。
コンプライアンス・オフィサー認定試験の金融AMLオフィサー[基本]・[実践]の学習教材にもなっているため、試験学習のために購入いただくケースも。
★★ 第5位 ★★
金融業務を根本から理解するための必需品
『金融取引小六法 2025年版』
A5判 1176頁 税込3,300円
金融取引小六法は、金融機関で働く行職員にとって、業務の「教科書」ともいえる存在です。日々の融資・預金・保証・投資信託など、さまざまな取引には法律や規制が密接に関わっています。
小六法を手元に置くことで、取引の適法性を確認したり、法務・コンプライアンス上の判断を迅速に行ったりすることが可能です。
実務経験が浅い新人はもちろん、中堅・ベテランの行職員にとっても、法律の最新改正や細かな規定をチェックするための必携書籍として支持されています。
★★ 第6位 ★★
企業価値担保権を学ぶ最初の一歩に最適!
『新しい融資のかたちがわかる 企業価値担保権入門』
A5判 224頁 税込2,420円
2025年9月に発刊したばかりの最新刊。
金融庁が発表した「2025事務年度 金融行政方針」でも言及されている「企業価値担保権」を解説した入門書。
「なぜ“事業性融資を更に推進するため”に企業価値担保権が利用できるのか」といった考え方や、「企業価値担保権を活用する場合の対象は?」といった実務での利用をイメージできるよう、やさしく解説をしています。
★★ 第7位 ★★
実務に活きる!金融法務の入門書
『金融法務入門 [第2版]』
A5判 192頁 税込1,650円
「金融法務入門」は、法律の条文そのものを覚える前に、金融取引に関わる法務の基本を理解したい人に最適な一冊です。
小六法が“法律の条文集”であるのに対し、本書は解説を通じて、金融機関の業務にどう法務知識を活かすかを丁寧に解説しています。
実務初心者はもちろん、経験者の復習用としても役立ち、理解を深めるための入門書として、多くの職員に支持されています。
★★ 第8位 ★
融資業務の入門書
『ここからはじめる 融資基礎講座』
B5判 192頁 税込1,760円
決算書の読み方や財務分析といった基本的な知識から、担保・保証、自己査定、さらには個人ローンまで、融資業務に必要な要素が一通りカバーされていると読者から評価されている1冊です。
様々な金融機関で研修講師として活躍中の渋井真帆氏の研修の内容をベースにしており、単なる教科書ではなく、「実務につなげる」ことを意識して書かれています。
★★ 第9位 ★★
不祥事と炎上を防ぐ社会人の必読書
『社会人なら知っておきたい コンプライアンスの落とし穴 〔第2版〕』
A5判 240頁 税込2,420円
社会人として「コンプライアンスは大切」と耳にする機会は多いですが、具体的に“どこまでがOKで、どこからがNGか”は意外と曖昧なままです。本書は、そんな「知っているつもり」の状態から一歩抜け出し、身近な事例で具体的に学べる点が最大の魅力です。
「ビジネスだけでなくプライベートの場面にも落とし穴がある」という切り口が特徴で、金融機関に関わらずすべての業種・業態で必要な知識が詰まっています。
★★ 第10位 ★★
信用事業の基礎を1冊で効率よく学べる
『系統職員のための はじめての信用事業』
A5判 144頁 税込1,100円
JAにおける信用事業の「預金・融資・為替」という三大業務を、初学者向けに専門用語を極力使わず、イラストや業務の流れに沿って解説している点が非常に分かりやすいと好評の1冊。
特に新人職員として最初に押さえるべき基本知識がコンパクトにまとまっており、業務の全体像をざっくり理解したい方にはぴったりです。
★★ 第11位 ★★
『そうぞくライフプラン 2025年度版』
B5判 32頁 税込506円
初学者でも理解しやすい丁寧な解説で、事例を通じて具体的な対応のイメージがつかめること。また、中堅職員の振り返りや知識確認にも適しており、幅広い層に支持される実務書として11位にランクインしました。
★★ 第12位 ★★
『これ1冊で丸わかり 農業与信の基本』
A5判 320頁 税込2,420円
農業経営の特徴と税務会計・与信管理を徹底理解! 農業与信の現場を知る実務経験者による、他にない1冊。
JAだけでなく、農業経営に関わる一般企業からも購入いただいています。
★★ 第13位 ★★
『地方創生の「現場力」 地域と金融機関の持続可能性向上のために』
A5判 256頁 税込1,980円
信金中央金庫の地域創生推進部長、しんきん地域創生ネットワークの代表取締役を歴任した著者が「地域創生の悩み」に事例を通じて応えた1冊。
★★ 第14位 ★★
『年金相談の実務 2025年度版』
A5判 384頁 税込2,530円
照会・手続重視からアドバイス重視へと変化する年金相談実務に対応!
年金相談において見落としがちな項目を「Check !」としてまとめ、また、お客様に喜ばれるヒントをワンポイントアドバイス」として掲載。
★★ 第15位 ★★
『五訂 信託の基礎』
A5判 320頁 税込2,420円
金融機関の行職員でも難しいと感じる人が多い“信託”について、しくみから、信託の会計、税務取扱いまで詳しく解説した1冊。
以上、2025年度上半期の売れ筋書籍ランキング15位までをご紹介しました。
上位の書籍からは、金融実務の基礎固めや新人教育、法務・コンプライアンス、ライフプランなど、金融パーソンの学びや研修に役立つテーマが多く支持されていることが見えてきます。
どの書籍も、実務に活かせる知識やスキルを身につけるうえで参考になる内容ばかりですので、気になる一冊があればぜひ手に取ってみてください。