2021年8月《第202号》メールマガジン 問題「繰上げ請求した場合の減額率」の正解発表!

2021年08月01日

2021年8月《第202号》メールマガジン 問題「繰上げ請求した場合の減額率」の正解発表!

では、さっそく正解をみてみましょう!

正解& 解答ポイント

気になる正解は!

(3)

079927

現行制度では、繰上げ請求をした場合、繰上げ請求をした月から65歳に達する月の前月までの月数に0.5%を乗じた額が減額されることとなっていますが、「年金制度改正法」(令和2年法律第40号)の成立により、令和4年度からはその減額率が0.5%から0.4%に緩和されることとなりました。
したがって、(3)の場合は24%(0.4%×60月)減額された年金額となります。

ここで注意しておきたいのは、令和4年度以降に繰上げ請求した場合、誰もが0.4%の減額率が適用されるわけではないということです。
0.4%の減額率は、令和4年度以降に60歳になる者(昭和37年4月2日以後生まれの者)に適用されることになります。
したがって、(2)の場合は、令和4年度に繰上げ請求をすることになりますが、減額率は0.5%であり、記述のとおり24%(0.5%×48月)減額された年金額となります。

繰上げ請求をすると、(1)の記述のとおり、減額された年金額が生涯続くこととなります。
また、繰上げ請求は取り消すことができません。
さらに、繰上げ請求をするにあたっては、減額されること以外にも気をつけなければならないことがあります。

以上より、(3)の記述が誤っており、本問の正解となります。

令和3年度までに60歳に達している方は、減額率の緩和の対象外であるにもかかわらず、「繰上げ請求をするなら来年度まで待ったほうがよい」といった声がよく聞こえてきます。
どうやら、「減額率が4%に緩和される」という情報を早合点によって誤解されている方が多いようです。

改正情報は、「いつから」「誰が」対象になるかというところまで、きちんとお伝えすることが大切です。

 年金制度をきちんと勉強したいという方には、年金の基本と実務の体系的解説書である『年金相談の実務2021年度版』をお薦めします。

5324 - コピー 詳細はこちら

本書は2010年度の発刊以来、年金アドバイザー2級・3級の「参考書」、年金の「実務書」および『ねんきんライフプラン』の「解説書」として改訂を重ねてきました。
2021年度版においては巻末に「年金制度改正法」(令和2年法律第40号)の概要を収録し、本問の繰上げ減額率の緩和等についても記載しておりますので、ぜひご参照ください。
研修講師としても大活躍されている社会保険労務士の鈴江一恵氏著の人気の書です!