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金融行政方針から読み解く「サステナブルファイナンスの推進」

2022年11月01日

金融庁は2022年8月、「2022事務年度金融行政方針」を公表しました。
金融行政方針は、年度毎に金融行政として目指すべき方向性を示したものです。

2022年度の行政方針は「Ⅰ.経済や国⺠⽣活の安定を⽀え、その後の成⻑へと繋ぐ」、「Ⅱ.社会課題解決による新たな成⻑が国⺠に還元される⾦融システムを構築する」、「Ⅲ.⾦融行政をさらに進化させる」の3つに分けられています。
ここでは上記Ⅱに記載されている「サステナブルファイナンス」に絞って解説をしていきます。

図表1 出所:金融庁2022事務年度金融行政方針 コラム

タイトル

金融行政方針に「サステナブルファイナンス」に関する記述が初めて盛り込まれたのは2020年です。
2022年度版では、サステナブルファイナンスについて新たに「インパクトの評価」と「専門人材育成等」の項目が追加されました。

インパクトの評価

インパクトの評価では、「投資による社会・環境面での改善効果(インパクト)を的確に計測・評価することを通じて、多様な投資家をインパクト投資へ呼び込み、サステナビリティの向上に向けた企業の取組みを促す」としています。 このため金融庁は、GSG国内諮問委員会と共同で「インパクト投資に関する勉強会」を開催しています。 また、SIMI(社会的インパクト・マネジメント・イニシアチブ)は社会的インパクトの計測・マネジメントに関する情報提供や研修等を実施しており、インパクト評価に関する知見を習得するうえで参考になるでしょう。

専門人材育成

専門人材育成に関しては、サステナビリティに係る資格試験の創設の推進や、ESG投資に必要な知見・技能、スキルマップを見える化することが明記され、今後は各金融機関でサステナビリティに精通した人材の育成が急務となると考えられます。
これから勉強を始める方は、まず通信講座などで基本的な内容を学習されることをお薦めいたします。
また、インプットした内容についての理解をより深めるためには、アウトプットすること(=人に教えること)も重要です。
通信講座を修了した方は、所属する組織内で、ご自身がサステナビリティについて教える側の立場になってみてはいかがでしょうか。
さらに、知識が定着しているか確認をするために検定試験を受けてみることもよいかもしれません。

 ⾦融機関における気候変動への対応についての基本的な考え方出所:金融庁2022事務年度金融行政方針 コラム

 

 タイトル2

金融行政方針は、昨今の気候変動を巡る国際的なイニシアティブの進展など、注目すべき社会課題を反映して策定されているため、顧客企業が中長期的なビジョンや計画を検討するうえで参考になるものです。
ぜひ読んで頂いて、顧客との対話を深めて頂ければと思います。

株式会社日本総合研究所創発戦略センターマネジャー 長谷直子


金融庁「2022事務年度金融行政方針について」

https://www.fsa.go.jp/news/r4/20220831/20220831.html

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