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この記事では「今回おすすめの試験」を目的別に紹介します。
まだ何を受験するか決めていない方、同じ種目の３級と４級でどちらを受験するか悩まれている方に参考となるよう、次の内容を解説しています。
✓ 目的別｜あなたに合うおすすめ試験
✓ その種目の特徴（受験メリット・おすすめの対象者・試験の特徴など）
✓ 複数の級がある種目に関する選び方の一例・考え方
✓ 受験料と直近試験の合格率
✓ ３月試験に関わる今後の試験制度の変更点
■ 目的別｜あなたに合うおすすめ試験
－財務３級/税務３・４級/年金アドバイザー３・４級
－DXビジネスデザイン/経営支援アドバイザー２級/投資信託３級/相続アドバイザー３級
－融資管理３級/税務２級/外国為替２・３級/相続アドバイザー２級/年金アドバイザー２級
－金融AMLオフィサー［実践］［基本］/JAコンプライアンス３級/社会人ホスピタリティ［実践］［基本］
まずはここから。金融基礎力を高めたい方
財務３級
企業の決算書を“読める”だけでなく、“使える”レベルの基礎力を身に付けたい方に最適の試験です。
財務３級の合格に向けて学習した知識を活かすことで、企業の貸借対照表や損益計算書、セグメント情報等の内容を理解し、収益性分析や安全性分析などの分析手法を活用して、企業の財務状況がわかるようになることを目指します。
ビジネスパーソンとして、企業の財務諸表等の数字に強くなりたい方にもおすすめです。
税務３・４級
金融商品にかかる課税・非課税制度、住宅取得や老後、相続などライフプランにおける所得税・相続税・贈与税、さらに個人事業主や会社の資金にも大きく関わる所得税や法人税など、お金に関する不安には必ず税金の話が絡みます。そのため、税務の知識は、あらゆる場面で説得力を底上げする基礎スキルです。税の基本ルールを理解し、お客さま相談の精度を向上させましょう。
３級と４級のどちらを受験するか悩んでいる場合、次のような考え方もあります。
・業務上で何かしら税務に関わった経験がある→３級
・税務３級公式テキストの項目を見て、意味のわからない用語が複数ある→４級
年金アドバイザー３・４級
窓口・渉外担当者が、顧客から年金や老後のライフプラン等に関する相談をされた際に役立つ基礎知識を習得できます。
４級は試験勉強を通じて、公的年金制度の全体像をおぼろげながらでも把握できること、さらに年金請求の方法等についての知識を習得し、みずから手続ができるようになることを目指しており、３級は金融機関の行職員が、お客さまから老後のライフプランについての相談を受けた際に、公的年金の知識、雇用保険・健康保険や年金と税金に関する知識を利用して充実した回答をすることで、信頼を勝ち得ることを目指します。
３級と４級のどちらを受験するか悩んでいる場合、次のような考え方もあります。
・年金に関して一定の知識があり、知識を他者へのアドバイスに使いたい→３級
・知識の基礎固めとして、まずは「年金の全体像」をつかみたい→４級
営業スキルを底上げしたい方
DXビジネスデザイン
テクノロジーの知識だけでなく、取引先の課題を的確に分析し、解決策を一緒に描く力を身に付けられる試験です。選択式に加えて記述式もあるため、表面的な理解ではなく“自分の言葉で説明できるレベル”まで習熟できます。
取引先の「売上拡大」「業務効率化」などの課題に対し、どのような手段が最適なのかを整理して提案できるようになるため、DX支援の実務力が高まり、融資や新規提案の説得力も向上します。
経営支援アドバイザー２級
企業支援を行ううえで押さえておくべき定性分析・定量分析の基礎知識をまとめて学べるため、「企業を見る視点」を身に付けたい法人担当者に最適です。
また、クラウドファンディングやＡＢＬ等の資金調達手法、事業再構築や経営改善、転業、創業・新事業支援、事業承継など、さまざまな経営支援知識の活用方法を理解できるようになることも魅力の一つです。
投資信託３級
投資信託に特化した試験のため、無駄なく短時間で理解をすることが可能です。また、特化しているゆえに、実務で頻出する場面をそのまま学べることも魅力です。
「投資信託は説明が難しい」と感じている方にとって、投資信託の仕組みや種類等の基本的な知識から、提案してはいけない内容等の販売上のルールまでが分かるため、お客さまの目的に合った投資方法や分散投資へのアドバイスといった、実務に役立つ知識を身に付けることができます。
相続アドバイザー３級
相続対応で窓口に来訪されたお客さま（ご遺族）に対して、どのような手続きを行うのか、その必要書類など、金融機関における相続手続きの全体像を理解することができます。
また、手続きの知識と併せて、相続対策（生前対策）を理解するために必要な、相続人の範囲と順位、相続分、遺留分、遺言など民法の基本的な知識の全体像を把握すること、贈与税や相続税の全般的な知識や計算の流れを把握すること、および資産承継を円滑に進めるために必要な具体的な対策手法に関する基本的な知識を身に付けることができます。お客さまが抱える不安の解消や悩みの解決のサポートをしていくためのアドバイス力が向上します。
キャリアアップ・役割拡大を目指す方
融資管理３級
融資管理は担保・相殺・回収・保証・破産など複数の法律分野が絡むため、法律知識をベースとした判断力が求められます。融資管理３級では、相殺による回収判断や、返済不能時に債権を譲渡し回収委託する際の抵当権の扱いなど、「融資にかかわる幅広い法律知識を体系的に理解し、正しい判断ができる力」を身に付けることができます。
税務２級
税務2級は「税務知識を暗記」する試験ではなく、「なぜそうなるのか」や「税額計算の過程や計算根拠」を説明することが求められる試験で、金融機関の役席者や専担者に求められる知識レベルを身に付けることができます。
「税金がわかる人」から「税金を“説明できる人”」になることで、「会社の利益と税金ってどう連動しているのですか？」といった質問に、根拠をもって説明できるようになり、お客さまから重宝されます。
外国為替２・３級
外国為替の知識は「専門部署向けのもの」と思われがちですが、実は個人・法人営業のどちらにも必要な知識です。外国為替に関する法制度や国際取引ルールの知識をもつことにより、「輸出企業への為替リスクの説明」なども自分自身の言葉で伝えることができるようになります。
海外進出を検討する企業が増えている一方、外為専門人材は慢性的に不足しているため、為替知識をもつことはキャリアを歩むうえで強い武器となります。
２級は役席者や専担者等を対象に記述式でアウトプットをすることが求められるため、外為業務に携わっておりレベルアップを図りたい方向けです。３級はマークシート式で営業店の担当者向けに基本を押さえる内容のため、基礎力を鍛えたい方におすすめです。
相続アドバイザー２級
相続アドバイザー２級は、相続手続き、相続対策（生前対策）およびアドバイスに関するより深い知識や応用力を問う試験です。
相続対策を行うためには、民法の基本的な知識や相続対策の中で大きな比重を占める相続・贈与にかかる税務知識を正確に身に付けているだけでなく、生前中における資産活用の手法や死後の資産承継についての考え方、リタイアメントプランニング・遺言書の作成アドバイスといった知識と合わせて理解し、顧客それぞれの事案に応じて適切な対応策の提案ができることが求められます。合格を目指した学習を通じて、顧客の相続にかかる不安の解消や悩みの具体的な解決のサポートを行うための広い視野を身に着け、アドバイス力の向上を図ることができます。
年金アドバイザー２級
年金アドバイザー2級は、公的年金を中心に企業年金・医療保険・税制など年金にかかわる幅広い制度を体系的に理解できる試験です。
金融機関で年金相談会を行う方々に対して最新の知識を講義したり、年金相談会で難しい相談があった場合に対応できる知識・技能の習得を目指します。
公的年金や公的保険制度などは、社会情勢の変化に応じて改正されるほか、定期的に見直されます。１度合格された方も、定期的に受験することで知識をアップデートできるため、年金知識の定期健康診断と考えることもできます。
信頼される応対力を身に付けたい方
金融AMLオフィサー［実践］［基本］
取引時確認や疑わしい取引、リスクベース・アプローチに関する考え方など、健全性確保に欠かせない知識を体系化した試験です。支店全体のガバナンス強化にもつながります。
［基本］は、営業店で日々の取引を担当する行職員が、安心して現場対応できる知識を身に付けるためのレベルで、［実践］は、支店長・管理職や本部でリスク管理に関わる方が、より高度な判断や指導ができるよう設計されたレベルです。自分の役割や今後のキャリアに合わせて選びましょう。
JAコンプライアンス３級
JAコンプライアンス3級は、毎日の業務で「信頼される行動の“軸”」をもてるようになる試験です。何をどこまで説明すればよいか、どのような場面でミスが起きやすいかが整理されるので、判断に迷いにくくなります。その結果、ちょっとした説明不足や確認漏れが原因のトラブルや苦情を防ぎ、より丁寧な対応ができるようになります。
なお、この試験は“認定試験”であり、到達すべき基準をクリアすれば認定される仕組みです。理解度に応じてしっかり評価されるため、学んだ分だけ確実に結果につながります。
社会人ホスピタリティ［実践］［基本］
「感じがいい」「信頼できる印象」は生まれつきではなく、誰でも磨けるスキルです。
社会人ホスピタリティでは、相手の気持ちに気づく力、状況を読み取る力、伝え方の工夫など、信頼関係づくりに欠かせない“人間力”を体系的に学べます。
お客さま対応はもちろん、職場のコミュニケーションもスムーズになり、「またこの人にお願いしたい」と思ってもらえる存在になることができます。毎日の仕事をもっと気持ちよく、もっと信頼されるものに変える一歩としておすすめの試験です。
■ ３月試験に関わる試験制度の変更に関するご案内
銀行業務検定試験は2026年度の実施より、いくつか制度変更があります。受験を検討されている方はご確認ください。
→ 2026年度の変更点に関してはこちら
① 外国為替2級は今回が最後の実施となります
制度改定に伴い、外国為替2級は今回（2026年3月1日試験）をもって廃止となります。
現行カリキュラムでの受験を希望される方は、今回が最後の機会です。
② 「融資管理3級」「社会人ホスピタリティ［基本］［実践］」は次回よりCBT方式へ
次回より、以下の種目はCBT方式のみでの実施となります。
・融資管理3級
・社会人ホスピタリティ［基本］
・社会人ホスピタリティ［実践］
CBT化により、受験日程の柔軟性が高まり、業務都合に合わせた受験がしやすくなるメリットがあります。会場試験方式で受験したい方は、今回の受験をご検討ください。
■ 試験日・申込期間のまとめ
試験実施日：2026年3月1日（日）
申込期間：2026年1月6日（火）〜1月20日（火）
申込期間が短いため、受験種目が決まっている方は早めの申込みがおすすめです。
CBT方式にて受験されたい方は以下よりお申込みください。
＜2025年度実施スケジュール＞
試験実施期間：2026年３月31日（火） ｜ 申し込み期間：2026年３月28日（土）
