2021年6月《第200号》メールマガジン 問題「令和3年度の年金額」の正解発表!

2021年06月01日

2021年6月《第200号》メールマガジン 問題「令和3年度の年金額」の正解発表!

では、さっそく正解をみてみましょう!

正解& 解答ポイント

 

気になる正解は!
(2)令和2年度と比べて0.1%下がりました。

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 【解答ポイント】1
年金額改定のしくみは複雑ですので、なるべく難解な用語は使わず、ざっくりと説明していきますのでご了承ください。

新年度の年金額の改定については、総務省の「年平均の全国消費者物価指数」(生鮮食品 を含む総合指数)の公表を踏まえ、厚生労働省から1月下旬に発表されます。
令和3年度の年金額については、物価(0.0%)・賃金(▲0.1%)の変動による改定により、前年度と比べて0.1%の引下げとなりました。
今回の引下げは、平成28年の改正により、賃金がマイナスで物価を下回る場合には、賃金に合わせて年金額を改定するようルールが徹底されたことによるものです。
その徹底は、令和3年度から実施されることになっていました。
令和3年度の年金額改定は、まさにそのパターンに当てはまり、賃金の下落に合わせて引き下げられることになったのです。
年金は「世代間扶養」という考え方から、支え手である現役世代にとっては「自分たちの賃金が下がっているから、高齢者の年金を下げるのは当然」と思うかもしられず、改正前は、このようなパターンでも年金額は引き下げず、据え置かれていたのです。
年金受給世代にとっては、これまでとは違って、「現役世代の賃金が下がったら自分たちの年金も下がる」という仕組みが始まったことになります。
現役世代の負担能力に応じた給付とする観点からの改正とはいえ、年金受給者にとっては厳しい方向に変わったということです。

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なお、マクロ経済スライドによる調整(現役人口の減少や平均余命の伸びに合わせて、年金の給付水準を緩やかに調整するしくみ)は、物価や賃金による改定がマイナス改定であったため、行なわれず、未調整分は翌年度以降に繰り越されることになっています。

年金受給者は毎年、年金額の増減がとても気になります。そんな年金受給者の気持ちに応えられるように、『ねんきんライフプラン』の冒頭「本誌をお読みいただくにあたって」に、今年度の年金額がどうなるかが書かれていますのでぜひご覧ください!

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